2017年3月議会 代表質問⑥「文化財保護行政の充実を」

次に、文化財行政の充実を求めて伺います。

私が議員になってからこれまでに何度か文化財について質問してきました。

「新堂廃寺跡」「オガンジ池瓦窯跡」「お亀石古墳」という、国に史跡として指定されている一連の文化遺産の整備の必要性について質問し、また、南河内地域において資料館も博物館もないのは富田林市だけであること、文化財の保管状況の悪さによる史料の劣化という問題が顕著であることなどを指摘しました。

 

 富田林市には重要伝統的建造物群保存地区に選定されている寺内町の他にも、先ほど述べた国指定の史跡や府指定の史跡、その他にも様々な歴史的財産があります。

 寺内町に比べるとあまり脚光を浴びていませんが、金剛大橋の下流地区では、1989年にアケボノ象という古代ゾウの足跡の化石が発見されており、その後4年間の大規模調査で古代ゾウやシカなどの足跡化石が約330個も発見されています。

 さらに、2014年にも、新たに約100万年前のものとされるアケボノゾウやカズサシカの足跡の化石約30点が発見され、昨年9月にもアケボノゾウや大小の鹿の足跡化石とメタセコイア、ハンノキの化石樹木も発見されています。

 30万年から50万年前にいたナウマン象は有名ですが、それよりさらに50万年から100万年前に棲息していたアケボノゾウという体高2mほどのこぶりな象の足跡化石は全国でも珍しく、大阪で発見されているのは本市だけとのことです。

なによりも、象と大小の鹿や樹木といった化石がセットで出土することは非常に珍しく、樹木と水飲み場の位置関係や当時の生態系などが想像できる非常に貴重な資料と言えます。太古の昔、この辺りが象や鹿の楽園だったという事は、非常にロマンにあふれています。

 

 文化の町、歴史の町富田林というキーワードをもっとあらゆる時代から掘り起こし、地域の活性化の目玉として押し出すことも可能ではないでしょうか。

 石川添い付近にはアケボノゾウ足跡化石と化石林があり、緑豊かな富田林の原風景に想いを馳せることができます。

 

 この間の議会で、文化財行政を方向付けるためにも基本となる市の「文化財保護条例」がそもそも制定されていないことを取り上げ、すでに2004年時点で日本共産党議員団の代表質問に対して「条例制定に向けて取り組む」と答弁していたことも明らかにし、改めて早急な条例制定を求めました。

 それからさらに1年半がたち、市長の施政方針でも「貴重な文化財を後世へ確実に継承して行くため、文化財保護条例の早期制定に取り組んでまいります。」とされています。

 条例案の素案についてのパブリックコメントが募集されますが、文化財保護条例を本市の実情に見合ったより豊かで充実した内容にするためには、本市で文化財についての活動・研究をされている様々な団体への聞き取り調査を行う必要があると考えますがいかがですか。

 

 施政方針では、「国史跡『新堂廃寺跡・オガンジ池瓦窯跡・お亀石古墳』の保存活用計画策定に向けて検討してまいります」とされ、そこに着目をしてくださったことを嬉しく思いますが、これらの国の重要な文化財である史跡について、史跡公園としての活用など、今後の活用をどのようにお考えですか。

 

 また、現在、富田林市立第一中学校の余裕教室を利用した埋蔵文化財センターに保管されている資料ですが、広く一般の方に文化財に親しんでもらえる環境整備と人員配置が必要と考えますが見解をお聞かせください。

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