文化財保護条例制定に向けて!埋蔵文化財センター視察

こんばんは!田平まゆみです☆
昨日は、文化財保護条例制定に向けて、条例案がしめされパブリックコメントもとられ着々と進められていることを喜びつつ、今後の課題を知るため、そして、市の文化財行政について知ってもらおうと企画された富田林百景さんの市民講座に視察のため皆様にご了承いただき参加させていただきました。
金剛コミュニティさんも取材に来られていました。

まずは中央公民館にて、20年以上富田林の埋蔵文化財についての調査・研究を支えて来られた粟田さんの講演をお聞きして、その後、富田林第一中学校の空き教室を利用して「埋蔵文化財センター」として利用されている施設を、見学に移動しました。

意外にも、「埋蔵文化財センター」の存在を知らない方が3分の1以上おられました。
それも仕方がありません。

なぜなら、土日祝は閉まっており、正式な駐車場もなく、市民のために開かれた施設とはとうてい言えないからです。文化財や歴史に関心のある方ですら知らない方が多いのが現状です。
南河内で資料館も博物館もないのは本市だけです。条例がやっとできるということで、研究者の間でもすでに噂になっており、注目されているようです。

私としては、住民が気軽に見に行けて、郷土の歴史に触れられる、想像の翼を広げられる、そんな施設の必要性を、議会でも取り上げましたが改めて感じました。
保護条例制定を契機に、指定文化財の登録や住民にとって利用しやすく開かれた施設づくりをすすめてもらいたい、と強く願います。

あとは、写真にそれぞれ説明を付けていますのでご覧くださいませっ! ↓↓↓↓↓

▼埋蔵文化財センター入り口。見たい人は市役所に電話して予約しておく必要があり、見に行くと調査研究作業の手を止めて丁寧に説明をしてくださいますが、申し訳なくて気軽に見に行けるとは言えません。駐車場もなく公共施設とは言いがたい雰囲気があります。市の文化財行政に対する関心、力の入れ具合がよくわかります。IMG_6741

 

▼積み重ねられたケース。つぎつぎに発掘され運ばれてくるため、どんどん手狭になってきています。IMG_6742

▼作業場。IMG_6762

▼石器の作り方についてもドラマチックなお話を聞かせていただきました。最初は石で打ち付け、薄くなってきたら途中でもう少し柔らかい鹿の角に道具を持ち替えてさらに薄く、丁寧に削っていったそう。一番上のかたまりは、石器を作る際に打ち付けた側の、石器を作るために使われた石。石器のまわりに散らばっていた破片を粟田さんが組み合わせられたもの。

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▼瓦の一つひとつにも色々な物語が。同じ模様でも後に復刻されたものがあったり、その当時の流行りについて。新堂廃寺に使われた垂木先丸瓦は飛鳥寺のものと全く同じ汎型で作られたこと。それは、汎型を作る際に木をノミで削った位置が全く同じであることから明らかであること。ココから飛鳥寺に出荷?販売?していた可能性があるなど、文献がないと決定打がないが、こちらの方が権威があったとも考えられる非常に貴重なお話でした!

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▼報告書は1セット6000円で販売されているとのこと。ご興味のある方は公民館で聞いてみてください。貸し出しもされていると思います。IMG_6759

▼瓦の裏側には下に敷いていたと思われる布の糸目跡が残されており、その糸目の幅を計り、縫い合わせた跡などをメモにとり、気の遠くなるような約5年の歳月を経て復元!一つの発想から最新の研究方法まで編み出し、徹底的にやってみるその熱意に脱帽!「とにかく合わせてみるしかない。そうしないと命を吹き込むことはできない」と、パソコン入力の手を止め、手作業による接合作業を始めたそう。IMG_6756

▼段ボールで再現された甲冑。本当はとても重いもの!IMG_6760

▼アケボノ象の牙。もう片方の牙も下の箱に。これはウィングヒルズのあたりで発掘されたそう!IMG_6778

▼私の左手に見えますのは(見えますか?)、捨てられそうな砂袋の中身を丁寧に調べていた際に発見された銀通しの玉(装飾品の部品)で、非常に珍しいそうです。

最初、虫と間違ってギャッ!という声がしてよく見たら、、、というエピソード。

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▼何冊にもわたる緻密なノート。凄すぎて言葉が出ない、、この方、本当に凄い。。

かなりあちこちから引き抜きの声があったはずですが、富田林での文化財行政に尽力してくださっていることに対して感謝と敬意の思いです。

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