中央図書館★道徳教科書展示中

みなさんこんばんは!田平まゆみです。
ただ今富田林市中央図書館にて、道徳教科書の展示がされており、8月15日まで閲覧することができます。
私も閲覧してきました。
(6月中旬〜7月1日まで法定展示、7月2日〜8月15日まで法定外展示)

IMG_7277

IMG_7275

現在、小中学校では、週1時間「道徳の時間」という枠がありますが、小学校では2018年度、中学校では2019年度から、「特別の教科」として教えられることになります。それにともない文部科学大臣の検定に合格した教科書と評価が導入されることになります。
戦前の「親孝行」からはじまり「忠君愛国」までを説いた「教育二関スル勅語」にもとづく「修身科」で国定教科書をつかった道徳教育が行われてきたことへの深い反省に基づいて、1947年から始まった第二次世界大戦後の学校教育では、道徳を特定の時間や個別の教科のなかで教えることはありませんでした。

1957年の学習指導要領改訂で、教科外活動の一つとして「道徳の時間」ができました。これが1つ目の大きな変化で、その後も「道徳を教科にする」動きがある度に批判されて教科化はされなかったそうです。
しかし、2018年度からついに始まる「特別の教科 道徳」は戦後2つめの非常に大きな変化であり、教育政策の研究者からも強い懸念が呈されています。
「道徳科」は個々人の生き方考え方に深くかかわる部分に踏み込む教科であり、その教材を国が検定し、教科書を使用する義務が先生や学校に課せられるようになるという、二重、三重に国が関与するシステムです。

せめて、比較的良心的な、納得のいく内容の教科書を選んでほしいと、道徳教科書展示中、市民のみなさんに閲覧を呼びかけています。
家族のイラストの中で、お父さんがソファでふんぞり返っていてお母さんがお茶をもって立っているイラストがあったり、これは動考えても男尊女卑ではないのか?と思えるような表現の教科書もありました。
また、今シングル家庭が多い時代に、両親がそろっているべき!というような価値観を押しつけ、子どもたちを苦しめるのではとも思いました。
首相の写真が意味なく入っている教科書なんかもあり、こんなのはもってのほかです。

性の多様性、個々人の生き方、家庭のあり方など、あらゆる多様性についての理解が広まろうとしていた中、「家族はこうあるべき」「男の子(女の子)はこうあるべき」といった、ひとつの価値観の押しつけ教育というのはまさに時代に逆行していると思わざるを得ません。

比較的まともな価値観と、それぞれの家庭や子どもたちに配慮した表現が感じられたのは光村図書の教科書だと思いました。
ぜひ比較して見てみてください。
国や、社会や大人たちにとって都合の良い子どもをつくるための教育ではなく、子どもたちの心や感性をのばすような教育をしてほしい。子どもたちが社会の中で葛藤し、対立に合い、困惑し、悩んだ時に、1人の人間としてどのように考え、ふるまえばいいかを学ぶ機会を作ってほしい。
それは本来、道徳という国が検定した教科書であらかじめ決められた価値観を教え込むことではないはずですが。

7月27日午後2時から、3階庁議室にて教育委員会の教科書採択会議が開かれます。
ぜひたくさんの方に傍聴をしていただきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

コメント投稿