質問4)性的少数者LGBTの方々に対する社会的権利を保障する施策と理解促進をもとめて

4.性的少数者LGBTの方々に対する社会的権利を保障する施策と理解促進をもとめて伺います。

本市においてはLGBT施策について進んでいるとは言えない状況ですが、非常に重要な人権問題として、だれもがありのままの自分を認め、ともに幸せに生きられる社会をめざして取り組みたいと思い、この度質問させていただきます。

LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、性に違和感のあるトランスジェンダーの頭文字で、性的少数者の総称として使われますが、性のあり方はさらに多様なのでこの4つであらわせるものではありません。そのため、性的指向を意味するセクシャル・オリエンテーション(SO)と性自認を意味するジェンダー・アイデンティティ(GI)の頭文字から作られたSOGIという言葉も生まれ、性的少数者の人も、異性愛者の人も、すべての人の多様な性的指向・性自認を認め合おうという意味で使われています。

身近にLGBT当事者はいないと思っている人も多いと思いますが、LGBT総合研究所が2016年に実施したマーケット調査によると全体の8.0%、これは左利きやAB型の人より多い割合です。私自身も友人や知人の子どもさんが当事者だと知り、身近なことであることを感じました。また、日本共産党議員団で昨年行った市民アンケートにも、LGBT当事者の方から切実な声が寄せられました。

また、先日、私はジェンダー平等やLGBT問題を考える勉強会に参加し、参加されていた当事者カップルの方から、「社会の中で様々な好奇の目に触れる」ことや、「パートナーシップ条例・制度を作ってほしい」「自分のような格好をしている人でも気兼ねなく入れる“誰でもトイレ”の設置を促進してほしい」という要望、「マイノリティであることを意識せず普通に暮らせる社会になってほしい」などの想いをお聞きしました。

本人が自ら公表するカミングアウトは社会的に非常に難しく、逆に、本人の性のあり方を同意なく第三者に暴露してしまうアウティングによって、職業や住居を失ったりする深刻な問題を招くケースなど、当事者の人たちからお聞きして初めて知る深刻かつ克服すべき課題が多くあります。

日本共産党の政策では、性的マイノリティに関する課題の解決策として、「同性婚を認める民法改正」、「同性カップルの権利保障をすすめるパートナーシップ条例・制度の推進」、「野党が共同提出している“LGBT差別解消法案”の成立」、「性別適合手術の保険適用の拡充」、「学校教育や企業内研修」、「当事者である子ども・若者のケア」など、社会のあらゆる場面で権利保障と理解促進を進める施策を求めています。

本市としても、性的マイノリティに対する学校、職場、社会における差別をなくし理解を広げることや、マイノリティと言われる人たちが暮らしやすい社会をつくるための施策は、すべての人にとって暮らしやすい社会への重要な課題と考えます。

そこで、まずLGBTなど性的少数者への差別的な言動、嫌がらせを指す「SOGI(ソジ)ハラスメント(ソジハラ)」の防止対策や相談窓口の設置を求めて伺います。

5月に成立したハラスメント規制法の付帯決議で、初めてソジハラへの対応の必要性が盛り込まれ、今後は防止義務が課されることになり、企業も対策を進めていますが、まだ十分浸透しているとは言えません。

職場などで、性的指向や性自認に関する差別的言動やいじめ、暴力などを当事者が受けるケースが多いですが、しぐさなどから「LGBTではないか」とうわさされることも該当するため、すべての人が被害者になりえます。

先行して動きだしている企業では、社内のハラスメント防止ガイドラインや社員の「行動基準」に、「性的指向、性自認に関する差別的言動を行わないこと」と加え、LGBT研修を行ったり、採用選考で無理解ゆえの失言をしてしまわないよう、面接官にマニュアルを配布したりしているところもあります。

専門家は、「ソジハラ被害を申告する時は、当事者であるとのカミングアウトを伴う場合が多く、より声を上げづらい」ことを指摘しており、「ハラスメントがある職場は働く人の生産性の低下、メンタルヘルスの悪化、離職などが起きやすく、問題が表面化しにくいからこそ、企業や事業者が率先して対策すべきだ」とされています。

先の議会で、私は相談窓口の充実やハラスメント防止対策について質問しましたが、LGBTに関して、定期的に専門家に相談できる電話相談窓口を設ける必要があると考えますがいかがですか。

LGBTの児童生徒については、「知られたらいじめられるかもしれない」と、困っていても助けを求められない実態があり、「相談があった場合」に限らず、その前からの配慮・対応が必要です。

児童・生徒が自らLGBTに関わる情報を調べて不安や疑問を解消できるように、関連する図書を学校に置くことも有効と考えます。

堺市の市立図書館では、学校向けのブックリストを作成し提供しているとのことですが、本市でもこうした教育現場を支援する取組みを求めますがいかがですか。

性的マイノリティについての正しい知識と偏見や差別をなくすための職員向け研修や、市民向け啓発活動として、市の様々なパンフレットなどを見直し、LGBTの記載について検討する必要があると考えますがいかがですか。

また、市民の方に記入していただく各種申請書類などの性別の記入に当たり、特に男女の二択の場合は、こころの性と異なる性別を選択することへの抵抗感を抱えるなど、精神的な苦痛を感じている人がおられます。

性的少数者が行政手続きにおいて不快感を覚えることのないよう配慮し、各種申請書類などの性別記載についてその必要性を見直し、不要なものを撤廃していく取り組みも必要と考えますが、本市での現状と市の見解についてお聞かせください。

誰もが安心して暮らせる住環境の整備も大切です。LGBTの当事者の方々は、トイレに行くのを我慢したり、行かなくていいように水分を控えたり、何もしていないのに通報されたり、辛い経験をしたことのある人がほとんどだということです。LGBT当事者の方もストレスなく自然に暮らせるバリアフリーの社会をつくるために、市庁舎や学校・園なども含む市内公共施設、病院や駅などのトイレに、「みんなのトイレ」や「誰でもトイレ」などとも呼ばれる多目的トイレの設置促進を求めますがいかがですか。

つぎに、同性パートナーシップ条例や制度の創設を求めて伺います。

 国においては、同性婚や男女別姓などのジェンダー平等施策、LGBT施策の制度化がなかなか進んでいません。しかし、切実な要求運動によって、自治体でできる条例や制度で、同性カップルに対し結婚に準ずる関係と認める「同性パートナーシップ条例・制度」が2015年11月に東京都渋谷区・世田谷区で初めて導入され、そこからはまさに加速度的に全国へ広がりを見せています。

今や導入自治体は全国で26自治体(自治体にパートナーシップ制度を求める会調べ2019年9月)に広がり、導入を予定している自治体を入れると約30自治体、導入を検討している自治体まで含めると50自治体を超える状況にまで、急速にLGBT当事者に対する社会的理解、自治体の支援が広がっています。

さらに福岡市と熊本市では、パートナーシップ条例を持つ都市同士、連携協定を結び、引っ越しをしてもそのままパートナー関係が引き継がれ、引っ越し先で同様の宣誓を再度しなくても済むようになるなど、一歩前進しています。

実際には、パートナーの扶養に入ることや、共同名義で住宅ローンを組むこと、遺産の相続権、亡くなった時のマイホームの名義変更、お葬式で喪主をつとめること、病院でパートナーとして扱ってもらうことなど、異性同士の婚姻であれば当然認められることが認められないなど課題はありますが、それでも「パートナーだと宣言できることが嬉しい」と当事者カップルからはお聞きします。

また、「パートナー証明書があれば生命保険の受け取り人に指定できる」という保険会社も増えてきており、民間の会社で、「同性パートナーであっても法律婚と同様に、新婚補助手当や病院の付き添い、忌引きなどの休みをもらえる」という社内ルールを作っているところも少しずつ増えています。

今年4月から新たに「パートナーシップ制度」を開始した堺市では、市営住宅への同性カップルの入居や、市立総合医療センターで手術する際の同意を同性パートナーでもできるようになりました。市職員の場合は、結婚、介護、忌引きなどで配偶者と同等の休暇を取得することも認められました。

ともに成人であることと、いずれかが堺市に在住しているか転入予定であることが条件で、2人で宣誓を行い、市が宣誓書受領証を発行するかたちです。

受領証に記す名前は通名も可能にするなど、改名をしていない見た目の性とこころの性が一致しないトランスジェンダーの方への配慮もされています。

パートナーシップ条例・制度は、いずれ全国の主流になると思われます。本市でも人権政策先進市となるよう、いち早く取り組むべき課題であり、パートナーシップ条例・制度の導入を求めますが、見解をお聞かせください。

 

【答弁】

4.⑴の①についてですが、本市におきましては、平成31年3月に策定しました第2次富田林人権行政推進基本計画におきまして、取り組まなければならない人権課題の一つとして、LGBTの問題を掲げ、市として課題解決に向けて取り組むこととしています。

しかし、LGBTの方は、悩みなどを周囲に相談できず、一人で苦しまれている状況にあり、相談窓口が必要であると認識しております。

本市では、人権に関する啓発などを委託しております富田林市人権教育・推進啓発推進センターにおきましてLGBTの当事者やその家族などが相談できる「にじいろホットライン」を設置し、月3回、相談員による電話相談が実施されております。今後も相談しやすい窓口として広く周知してまいりたいと考えております。

次に、②についてですが、図書館では、毎月、社会の出来事、季節にあったテーマに沿ってブックリストを作成し展示、貸出しをしております。また、国や地方公共団体が連携して啓発する活動についての各課からの協力依頼に対して、本の展示、貸出しを実施しているところです。LGBT関連図書につきましても、啓発活動としまして、本市図書館所蔵のブックリスト作成や団体貸出を実施することで教育現場を支援してまいりたいと考えております。

また、学校といたしましても、児童生徒の発達段階や各学校の状況を踏まえながら、LGBT関連図書の配架について検討してまいります。

次に③につきましては、昨年度と今年度の2回、全課に配置しております人権教育・啓発推進員に対して、LGBTの当事者の方を招いて研修を行い、推進員を通じて各職場で周知するなどして理解と認識を深めたところで、今後も継続して研修してまいりたいと考えております。

また、市民向けには、LGBTに関する正しい知識と理解が進むようなパンフレットを作成し、人権に関するイベントの際に配布するとともに、広報紙においても啓発に努めているところであり、今後とも様々な機会を通して市民に啓発してまいりたいと考えております。

④についてですが、今年度におきまして、全課に依頼し、各種申請書類の性別欄の見直しを行い、法律等により定められたものや統計上必要なものを除き、削除したり、聞き方を変えるなどの改善を行いました。

今後につきましても、当事者の方が利用しやすいよう配慮してまいりたいと考えております。

次に⑤についてですが、LGBTの方に対する理解と認識が十分でないことから、LGBTの当事者の方がトイレを使う場合には、周囲の目を気にするなどの使いづらい状況にあります。そのような状況の中、本市公共施設における多目的トイレの整備の際には、誰でも利用できる旨の案内をするなどして、少しでも利用しやすいよう対応しております。

本市としましては、ユニバーサルデザインの観点からも、今後も使い易いトイレとなるよう整備を推進し、病院、駅などのトイレについても、気軽に使えるトイレとなるよう働きかけるとともに、市民のLGBTについての認識と理解が進み、当事者の方が利用しやすい社会となるよう啓発してまいりたいと考えております。

⑵についてですが、同性カップルは、法律上結婚できず、家族として生活していても、職場の福利厚生制度、賃貸住宅の入居、病院での同意など配偶者として扱われないなど、日常生活をするうえで支障をきたすなど困難を抱えた状況にあります。

パートナーシップ制度はそのような同性のカップルについて、法的な婚姻の効果を生じるようなものではありませんが、自治体がパートナーであることを証明する制度で、これにより家族や配偶者と同様に制度を利用できるようになる場合があり、LGBTの方の支援の一環となるものです。

パートナーシップ制度の実施につきましては、LGBTの理解増進を進めるとともに、LGBTの方が暮らしやすいまちづくりを進めるうえでも重要な施策であると考えております。

本市としましても、性の多様性とLGBTに関する理解を促進し、すべての市民が安心して暮らすことができるよう積極的に取り組みを進める必要があると考えており、パートナーシップ制度についても、先に実施している市を参考にしながら検討してまいります。

【2問目】

 前向きなご答弁ありがとうございます。本市として性的マイノリティの方々に配慮して始められている様々な取り組みについてもひきつづきすすめていただき、自身の性のあり方に悩みをもつ子どもらが自己肯定感を失わずに済むよう、自分で調べることを支援する図書などの取り組みについては、早急なご対応をお願いいたします。新たな提案であります、パートナーシップ制度につきましても早期制定を要望し、この質問を終わります。

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