2020年3月議会 代表質問②国の社会保障改悪が市民に与える影響について

※代表質問1問目と2問目をアップします。答弁については議事録ができておりませんので、文字おこしが出来次第アップしたいと思います。

 つぎに、国の社会保障改悪が市民に与える影響について伺います。

 施政方針では「増進型地域福祉」を重点施策に位置付けられています。しかし、安倍自公政権のもとで社会福祉は毎年改悪されています。この政権下で「消費税は社会保障の財源」にあてるとして、消費税の増税を2度も強行しましたが、消費税導入後の30年間、日本の年金・医療・福祉は制度改悪の連続で、社会保障は後退するばかりです。

 安倍首相は昨年9月、自らを議長とする「全世代型社会保障検討会議」を立ち上げ、年金の大幅削減、医療・介護の負担増と給付削減、病床削減の推進、保育予算の削減など、「全世代」に制度改悪の痛みを押し付けようとしています。

 年金制度の改変では、「マクロ経済スライド」による年金の大幅削減が計画されています。「マクロ経済スライド」とは、毎年の年金改定で、物価・賃金指標にもとづく本来の年金改定率から、政府が計算する「マクロ経済率」の分を引くことで、年金を目減りさせていく仕組みです。

 2004年にこの制度が導入された当初は、基礎年金も報酬比例部分(厚生年金の二階部分)の調整は2023年度に終了するとされていました。しかし、基礎年金の「マクロ調整」の期間が延長され、削減幅も拡大されました。

 政府はこの削減で国民がどれだけの被害を受けるのか隠していましたが、昨年の国会審議の中で、「マクロ経済スライド」による基礎年金の削減額が7兆円であることを認めました。

 厚生労働省が公表した「2019年・年金財政検証」では、基礎年金の「マクロ調整」が2047年度まで続けられるとしています。このまま続けられると、現在の基礎年金は、満額で6万5千円程度ですが、今37~38歳の市民が2047年に受け取れる額はどのくらいになるのでしょうか。

  また、「全世代型社会保障検討会議」と財務省の財政制度等審議会の答申では、75歳以上の医療費窓口負担を1割から2割に引き上げる事が検討されています。介護サービスの利用料も1割から2割に引き上げ、要支援1・2に続いて要介護1・2の生活援助を保険給付からはずし、地域支援事業に移行する提案もしています。

 こうした負担増と給付抑制は所得の格差を、治療格差、健康格差へと事態をさらに深刻化させるものとなります。負担増による受診抑制やサービスの利用萎縮は、病気の早期発見を妨げて重症化させ要介護状態の悪化にもつながるなど、かえって給付費増大を招くものです。

 財務省の財政制度等審議会は介護サービスの利用料を1割から2割への引き上げを提案しています。市政方針で示されている、「高齢者保健福祉計画及び第8期介護保険事業計画」では、介護利用料の負担増や給付抑制は起こらないのでしょうか。市の見解をお聞かせください。

 「国保の都道府県化」により国民健康保険料の値上げ押しつけの動きが強化されようとしています。厚労省は国保料軽減のため、一般会計から国保会計に公費独自繰り入れ(法定外繰り入れ)をおこなう市町村に対し、国からの予算を削減していく、新たなペナルティの仕組みを2020年度から導入することを決めました。

しかし、全国知事会は、国保制度を持続するには公費負担増による国保料の抜本的軽減が必要だとして、定率国庫負担割合の引き上げ、子どもの均等割り保険料の軽減や、窓口負担軽減への自治体努力に対する国のペナルティの全面中止をもとめており、全国市長会も全く同じ趣旨の提言をしています。

 市民全体の国保料を引き下げるための繰り入れは、厚労省による「削減・解消するべき法定外繰り入れ」に分類されてしまいますが「特別な事情」がある人への、国保法第77条にもとづく減免(条例減免)のための繰り入れは、「削減・解消しなくてもよい法定外繰り入れ」として扱われます。

 いま、各地でこの規定をいかし、国保料の子どもの均等割りを減免したり、多子世帯、ひとり親世帯、障害者世帯、所得が生活保護基準を下まわる世帯などさまざまな「特別な事情」がある世帯に自治体独自の減免制度を適用する取り組みが広がっています。

 市政方針では、「子育てするなら富田林」を一層推進するとされていますが、本市でも、多子減免など子育てを支援する減免制度を創設すべきだと考えますが見解をお聞かせください。

 また、国保の窓口が民間の派遣職員に任されるようになり、市民から対応への苦情を聞くようになりました。今後の課税課への民間委託の拡大などは、市民への対応と職員の連携に支障が広がると考えますが、見解をお聞かせください。

 市職員は正規職員で増員を図り、行財政改革の名のもとに人員削減を行わないことを求めますが見解をお聞かせください。 

 最初にもふれましたが、いま、連日、新型コロナウイルスの感染が報道されています。そんな中、日本における感染症対策の後退・不十分さが明るみになっています。

 日本共産党は、これまでも感染症病床を有する指定医療機関、機能統合による保健所の減少や、国立感染症研究所予算が10年前と比べて20億円も削減されている問題、定員削減で人手不足に陥っている問題などを指摘し、これらの体制強化や定員削減の見直しを求めていました。

 国は、感染に関しての相談は「保健所へ」と言っていますが、感染症への市民の相談窓口になるはずの保健所は、1994年の法改正で、全国848か所から、472か所にまで減らされています。さらに大阪府では2004年度から14カ所の保健所支所が廃止されています。1999年には、国の法律により隔離病棟を持っていた「富田林伝染病院組合」が解散となっています。

 新型コロナウィルス対策を進めるためにも、感染拡大防止のため十分な対策を取り、医療・検査の体制を強化し、南河内医療圏域への感染症指定病床の増床、保健所と連携した迅速で正確な情報の提供、保健所や市内の病院・市の救急隊員・公共交通など感染者と接触し得る職員の感染防止などに万全の対策を取ることを求めますが、市の見解をお聞かせください。

 

【2問目】 2、国の社会保障改悪が市民に与える影響について

 厚労省の2019年・年金財政検証によりますと、基礎年金はマクロ調整により2047年には現在月6.5万円が現行より3割カットされ、月4万円台に落ち込むとされています。また介護保険の利用者負担も1割から2割に増え、要介護1・2の方の生活援助サービスも後退します。これで本当に、高齢者の生活を支えるしくみとして広く定着している」と言えるでしょうか。

 市は政府の社会保障の改悪に追随するのではなく、市民の福祉を守る姿勢をしっかりと持っていただきたいと思います。

 提案しました、市独自の多子減免は法定外繰り入れとして国のペナルティを受けないもので、「子育てするなら富田林」にふさわしい減免制度だと考えます。ぜひ、ご検討をお願いしておきます。

 今回の市政方針でもさきほどの答弁でも、目立つのが、「行財政改革」「職員の適正配置」「担い手の最適化」など見過ごせない言葉です。市民サービスや社会保障の後退は国に追随し、職員にその負担をかぶせるという姿勢は、全庁一丸となって市民生活向上に立ち向かう職員のモチベーションを低下させ、市民の期待に背を向ける危険をはらむものと考えます。

 新型コロナウイルス対策では3月2日から本市でも学校が臨時休校となり、子どもの生活や親の働き方に不安と混乱が広がっています。早急に学校休業に関しての相談窓口を設置するとともに、夏休み並みに長期化した休み期間中、生活困窮世帯の子どもたちの命・健康を守るためにも、必要とする子どもたちが給食を食べられるようにすることなども求められています。臨時休校要請に伴って休業されている方への休業補償なども市として行う必要があります。

 今後もこの感染症対策では、首相の独断専行ではなく、政府による裏付けある財源措置と専門家の知見にもとづく医療検査体制、休業補償のしくみ、休校中の子どもの居場所づくりと保護者への支援体制の構築などを国へ要望していただくとともに市の適切な支援を求めておきます。

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