2020年9月議会 代表質問②社会的に弱い立場におかれている方々に寄り添うコロナ対策を求めて

つぎに、社会的に弱い立場におかれている方々に寄り添うコロナ対策をもとめて伺います。

国連は7月に、『持続可能な開発目標SDGs報告2020』を発表しましたが、その中でも、新型コロナウィルスのパンデミック(世界的大流行)が、SDGsの前進を数十年後退させ、特に貧しい人々、子どもや女性が甚大な影響を受けていると報告しています。 

また、極度の貧困に陥る人は世界で約7100万人と、1998年以来の増加となっています。そして、世界の労働者の半数約16億人が最初の1ヶ月で60%の所得減になっていることや、医療や予防接種が混乱し、5歳未満の幼児の死者が十万人単位で増えていること、妊産婦の死者が数万人単位で増える恐れがあること、家庭内暴力の急増、学校閉鎖で全世界の学生の90%が通学できなくなり、3億7千万人を超える子どもが給食を食べられなくなり、児童労働や児童婚のリスクも高まるとの見解や、気候変動が予想を上回る速さで進んでいることなども報告されました。

国連は、今後のさらなる危機にそなえて、鍵を握るSDGsへの一致団結した対応を各国に求めました。

外出制限によりDVが3割以上増加したフランスでは、被害から逃れた人のために計2万泊分のホテルの部屋購入を発表し、外出制限下でも営業している食料品店周辺に臨時の相談窓口を設置しました。

ユニセフも、DVや児童虐待の深刻化や性犯罪や性搾取に巻き込まれる危険などを指摘し、日本政府に、新型コロナ感染症への対策を計画するにあたっては、弱い立場に置かれた少女や子どもの特有のリスクを考慮する必要を呼びかけました。

しかし、日本では、本来は個人単位で救済するべき緊急経済対策としての臨時給付金、一律10万円給付の受給権者を「世帯主」としたために、DV被害を受け家を出ている方などで住民票を移さないままでいる配偶者や子どもは援助が受け取れない可能性があるといった問題や、そもそもなぜ「世帯主」に支給するとしたのかといったジェンダーの問題など、批判が噴出しました。

私も、こうした困難を抱えた方からのご相談を受けました。

今後、DVや児童虐待被害者等の支援・救済のためにも、緊急経済対策としての給付金支給等にあたっては、個人の尊重と両性の平等を定める日本国憲法にのっとって個人単位で支給をするよう要望していただきたいと思いますがいかがですか。

少なくとも、住民票上の世帯主でなくても、児童相談所や警察、配偶者暴力相談センター、自治体の男女共同参画推進センターの相談窓口や民間団体などが相談を受けている人に対して、個人への給付措置をとるよう国に強く求める必要があると考えますがいかがですか。本市では、個別に丁寧な対応もしてくださったとお聞きしていますが、市の見解をお聞かせください。

「新しい生活様式」という言葉のもと、新たな自粛生活と自己責任を求められ、先行きが見えないなか、第1波の際の市の対応について振り返り、社会的に弱い立場に置かれている人々の人権を守る視点が徹底できたか検証し、今後にそなえた支援の充実につなげる必要があると考えます。

私たち日本共産党議員団では、繰り返しコロナ対策の緊急要望をおこなってきましたが、最初に要望した「コロナに関する総合相談窓口」を市役所1階に設置していただき、この間、相談活動にあたっていただいたことと思います。

そこで、この間の相談件数と分野別の相談内容について教えてください。また、相談体制および民間の相談窓口も含めた連携機関各課との問題共有・解決に向けた協力体制の現状と、見えてきた課題について見解をお聞かせください。

 コロナ禍のもと、DVや児童虐待などの被害者は学校の休校・自粛生活により社会から見えない存在となり、潜在化・深刻化したことが問題視されましたが、こうした事態を回避するためにも、DV被害者や児童虐待相談のためのすべての相談窓口の運営を、緊急時にも継続すること、相談・支援体制を強化することが重要と考えますが、現状と課題についてお聞かせください。

DV・児童虐待相談は、外出制限時にも行くことができる食料品店や薬局などに臨時の相談窓口を設置するなど、積極的な対応を行うことも考えておく必要があると思いますが、いかがですか。また、相談のための外出は自粛要請の対象外であることを明確に発信することも合わせて必要と考えますが、いかがでしょうか。

民間支援団体が面談や相談のために利用している施設がコロナにより閉鎖・制限され、活動に困難が生まれている例も全国では起きているとお聞きしました。

施設の使用停止の要請が行われた場合でも公共施設等を利用した、緊急の相談や支援が行えるよう対応することが今後求められると思いますが、見解をお聞かせください。

DVや虐待だけでなく、子育て中の悩みをどこに相談して良いかわからないといった悲痛な声も届き始めました。それは、「長かった保育施設の休園で、子どもが園に行きたがらなくなった」「園長先生ともほとんど会った事がなく、コロナ対策で入り口のみでの子どもの引き渡しとなっているため、先生ともコミュニケーションがとれず、子どもの状態を相談できない」といった悩みです。

大阪府の心の電話相談は、妊娠中の方と赤ちゃんを育てている方が対象で、行き場のない想いを抱えている方は実はかなりいらっしゃるのではないか、深刻な問題に発展する可能性もあるのではと危惧しています。

子どもと保護者の心のケアについての現状と課題について、見解をお聞かせください。また、市の子育て分野の相談員、教育相談員等とオンラインも活用し対面相談できるサービスを開始してはどうかと考えますが、いかがですか。

つぎに、高齢者および障がい者の方への支援充実を求めて伺います。

介護事業所や障害児者を支援する現場では、「3密」が避けられません。しかし、マスクや消毒液、防護服などが圧倒的に不足しています。感染リスクが高い中で、細心の注意を払いながら職員の方々は業務にあたっておられます。施設には感染すると重症化しやすい人も多く、入所施設やグループホームで感染者が一人でも出れば、集団感染を引き起こしかねません。  

先にも述べましたが、入所者と職員全員にPCR検査ができる体制が早急に求められています。

また、介護事業所や障がい福祉事業所に対し、この間、市としてマスクや消毒液の配布を行っていただきましたが、第2波の中、改めて、福祉・介護事業所の困りごとの聴き取りを行うとともに、各施設および障がい児・者家族、高齢者の方へ、マスクや消毒液等の必要な衛生資材が十分行き渡るよう、措置を講じていただきたいと考えますがいかがですか。

また、高齢者へのマスク配布については、75歳以上の方がいる世帯に10枚の配布をされましたが、今年の4月28日以降に75歳になる方は対象から外されています。今年度中に誕生日を迎えて75歳になる方も対象とするよう求めますが、市の見解をお聞かせください。

 介護事業所についての問題では、政府が新型コロナウイルス感染症拡大による事業所の減収対策として出した通知が問題になっています。

これは、厚生労働省が介護保険のデイサービスやショートステイ事業者に介護報酬の上乗せを認める「特例措置」を通知したもので、 この「特例措置」により、事業者が利用者から「事前の同意」を得ることを条件に、例えば通所系サービスでは、提供サービス時間より2段階高い介護報酬を月4回まで算定できます。介護報酬の上乗せは、所得による1~3割の利用料負担の増額につながります。限度額を超えれば、超えた分は利用者の10割負担にもなります。

この特例に対して、「本来国が補償すべきコロナ対応の責任を利用者に押し付けている矛盾ある制度だ」という声や、「事業所の減収補てんは欠かせないが、利用者に負担増を押し付けることはできない」、「根本的に道理のない制度で利用者に理解してもらえない」と各地で通知の撤回と国の責任ある財源措置を求める声があがっています。

この問題で、長野県飯田市は、利用者の負担を増やすことなく介護事業者を支援するため、「特例措置」を算定しない事業者に、介護報酬の上乗せ額に相当する補助金を交付することを決めました。

市内の通所系サービスとショートステイサービス計87事業所に、総額8100万円を補助するもので、国の「特例措置」を算定していない事業所の、7月から来年3月分のサービス提供分が対象です。

飯田市は、補助金の概要説明資料のなかで、国の「特例措置」の「課題」として、「サービス事業者から利用者に対して通常とは異なる介護報酬を請求する明確な根拠を示すことができない」「利用者の同意が前提であるため、同意を得られた利用者と得られない利用者とで不公平が生じる場合がある」と指摘しています。

飯田市健康福祉部・長寿支援課長は、しんぶん赤旗の取材に対し、『「特例措置」を積極的に算定できない事業者もあると聞き、交付金を出す必要があると考えました。市民からも「受けていないサービスの利用料を払うのは納得できない」と苦情が寄せられていた』と話しています。

本市でも、富田林社会保障推進協議会がおこなった利用者への聴き取りによると、「200円から800円の負担になるという説明があった」、「説明があり、仕方なく押印した」、「おかしいと思ったが額が少額なので了解した」、「少額とは言っても、限度額を超えれば、超えた分は10割負担にもなり、生活がさらに苦しくなる」などの声が出ています。

コロナ禍で介護事業者は赤字に苦しんでいますが、利用者に筋違いの負担を押し付けることについて、心を痛めている事業者さんが多くいらっしゃいます。

事業所への介護報酬上乗せは、本来は国が財政負担をして責任もって行うべきであるにもかかわらず、事業者から利用者に負担を求めさせるというのは、「デイサービスでみてもらえなくなったら大変」という家族の心情につけこんだ、あまりにも卑劣な手段だと言わざるをえず、許せません。

国に対して、利用料負担増を利用者に求めるのではなく、国の責任で介護事業所等の減収補償をする財源措置を強く要望していただきたいと考えますが、見解をお聞かせください。

また、飯田市のように画期的な補助金交付をおこない、市内の介護事業所および高齢者の方への支援をすることについて、市として検討していただきたいと考えますがいかがですか。

つぎに、障害を抱える方への支援についてですが、施設で暮らす障がい児者の中には、感染予防のためだけでなく職員の負担を減らすために、家族の元に戻る人もいるとのことです。支えているご家族の多くは高齢で、身体的・精神的な負担は重くなります。一時帰宅している間も自宅で必要な支援を受けられるような措置が必要です。

また、一方で、入所者の帰宅により、施設運営事業者の運営費が大幅に減少する事例も出ています。日々の利用者数に応じた日割り計算によって、公費による報酬が支払われる利用契約制度という仕組みがあるためです。事業者は普段でもぎりぎりの報酬による運営を余儀なくされており、消毒液などの経費負担が重くなっている上、感染予防で入所者が一時帰宅すると収入が減ってしまうという事態は避けなければなりません。

厚生労働省から出された障害福祉サービスなどの取り扱いに関する通達で、障害者福祉サービス等事業所で新型コロナウイルスへの対応で利用者が通所等を行わない場合に、利用者の居宅等において健康管理や相談支援などできる限りの支援を行なったと市町村が認める場合は、報酬の対象とできるとしており、国・府を通じて市町村と事業所に通知されています。しかし、「市町村が認める場合」に限っているため、自治体によって対応が異なっています。

本市では具体的にどのような場合に報酬の対象としていますか。事業所に対して丁寧かつ柔軟な対応を行っていただきたいと考えますが、この間の市としての対応と今後の課題についてもお聞かせください。

障がい児が利用する放課後等デイサービス事業所の多くも、財政的な困難を抱えています。ここでも報酬が不安定な利用契約制度が背景にあります。コロナ禍で利用を控える障がい児も少なくありません。障がい児の大切な居場所を守る財政措置、コロナへの対応をした事業所や入所施設への報酬による手当て、職員への特別手当の創設が必要です。

国の責任で、障がい者福祉サービス等事業所や放課後等デイサービス事業所などの障がい者福祉サービスが安定して運営できるよう財政支援を求める必要がありますが、本市から国への要望状況をお聞かせください。

コロナ危機は、障害福祉事業所の運営基盤の脆弱さをはじめ、日本の障害者施策の弱点を浮き彫りにしました。障害者権利条約は、障がい者はどこで誰と生活するかを選択でき、最高水準の健康を享受する権利を掲げています。日本が権利条約を批准してから初の国連・障害者権利委員会による審査が予定されています。障がい児者と家族、支援者のいのちと健康を守るためにも、障害者権利条約が活きる政策への転換こそが重要です。

本市の障がい者への支援についても、伺います。

聴覚障がい者、難聴者に対する新型コロナ感染症に係る情報提供について、マスクで口元が隠れていることによる弊害など、様々な点に配慮が必要ですが、手話と見やすい字幕付きの映像による広報などの対策が必要と考えますが、見解をお聞かせください。

視覚障がい者の方に向けた新型コロナ感染症対策の広報資料は、点字、大活字、音声版のものを作成し、わかりやすく周知することが求められますが、いかがでしょうか。この間の取組みについてもお聞かせください。

また、障がい者給付金が、今年で打ち切りになるとの通知が給付対象者に送付されたと市民の方から数件ご相談を受けました。担当課に確認したところ、毎年夏に給付してきた障がい者給付金を、今年度で打ち切るとのことでした。

障がい者の方やそのご家族から、「なぜいま給付打ち切りなのかとショックを受けた」と悲痛な声があがっています。

この給付金は、身体障害者手帳、精神障害者福祉保健手帳、療育手帳をお持ちの方に最大1万円を支給するもので、毎年皆さん楽しみにしておられ、行政が自分達に心を寄せてくれていることも感じられたとおっしゃっています。

新型コロナで大変な時期でもある今、障がい者給付金の廃止というような冷たい切り捨てではなく、今こそ障がい者の方々に寄り添う施策の充実がもとめられていますが、市長の見解をお聞かせください。 

【2問目】 

障がい者給付金の廃止について、再質問させていただきます。

ご答弁で、制度を廃止する理由として、「国の法律整備等により障がい福祉サービスや障害児通所サービス等の障がい福祉施策の推進が図られるとともに、本市において、様々な障がい福祉施策の充実に努めてきた」ということを挙げられていましたが、どのような施策の推進・充実がされてきたのか、教えてください。 

 

【答弁】

①②につきましては、相関連いたしますので、一括してお答え申し上げます。

この度の特別定額給付金の申請・受給権者につきましては、その者の属する世帯主である旨が規定されており、特別な場合を除き、個人単位での支給については、認められていませんでした。

本市の場合、約5万1千世帯、11万人が支給対象となっておりましたので、仮に、これを個人単位の支給とすれば、単純に事務作業及び事務経費が2倍に増えることとなります。

給付金事務を実施する上では、迅速且つ正確に給付金を支給することが重要であり、個人単位での支給とした場合、事務作業が増えることによる作業の遅れ等も懸念されますことから、国において世帯単位での支給として制度設計されたものと認識しております。

しかし、その一方で、配偶者等からの暴力を理由に避難しておられる方からの申出や、夫婦間や親子間での申請に対する意見対立に伴う相談などが複数、寄せられたのも事実であります。

例えば、世帯主が行方不明で申請にお困りの方やDV等の支援機関と関わりが無いため、申請出来ない方など、国の示す実施要領やQ&Aで対応が明確に示されていないケースについて、各世帯の実情を丁寧に聞き取り、全ての方が給付金を受け取れるよう、プライバシーに配慮しながら実施自治体の裁量権の範囲で個別対応をさせていただいたところでございます。

最後にDV等の支援・救済のための個人単位での支給につきましては、各支援機関が当事者との調整を事前に実施した上で都道府県が集約し、各自治体と調整する仕組みとなれば、確実な給付に繋がりますことから、今後、同様の給付金が実施される場合には、これら課題への対応や、個人単位での給付の検討も含めまして、可能な限り簡素な方法で確実に給付できる仕組みとなるよう国に求めてまいりたいと考えております。

(2)①につきましてお答えします。

新型コロナウイルス相談窓口は、市民の皆さんの新型コロナウイルスに関する不安や、関連した相談ごとに対応するため、5月7日、市役所1階に設置し、相談内容に応じまして適切な窓口をご紹介しております。現在は、職員並びに会計年度任用職員の常時2名体制で、市役所2階の対策本部と常に連携を取りながら相談業務にあたっております。

5月7日から8月31日までの間に、窓口と電話を含め約3,000件の相談がございました。主な相談内容といたしましては、特別定額給付金に関する問い合わせが約2,300件、国が配布したマスクについての問い合わせが約250件、各種支援金や給付金に関する相談が約170件、体調に関する健康相談が約20件などとなっております。

社会的に弱い立場におかれている方からの相談については、相談に来られた方の困りごとを十分に聞き取りしたうえで、その方にとって必要な措置の優先順位をつけ、順次支援を受けていただくことができるよう対応しております。具体的に申し上げますと、新型コロナ関連各給付金のご案内、必要に応じまして市社会福祉協議会の福祉なんでも相談を通じて貸付金等のご案内、また、法律相談、司法書士相談などをご紹介しております。

新型コロナ相談窓口での課題についてですが、国・府・市が行っております支援策が多岐にわたりますことから、市民の皆さんから寄せられる相談ごとに即座にお答えできない場合もございます。相談者の方をお待たせせず対応できるよう、新型コロナウイルスに関連する情報の収集、更新に努めてまいります。

今後におきましても、健康相談をはじめ経済的な支援に関する相談などに対しまして、市民の皆さんに寄り添った親切丁寧な相談体制を継続してまいります。

(2)相談・支援体制の充実についての②から⑥について、順次、お答えいたします。

まず、②についてお答えします。本市におきましては、学校園の臨時休校等期間における児童虐待のリスクに対応するため、要保護児童対策地域協議会事務局が中心となり、毎月開催される実務者会議において、台帳登録されている全てのケースについて安全確認が必要なケースを抽出し、関係機関へ協力を求め、児童の安全確保並びに家庭の状況把握に努めました。また、新たに支援が必要となるケースも想定されたことから、その際は、速やかに要保護児童対策地域協議会事務局まで一報いただくよう関係機関に周知しました。

これら関係機関を通じた見守りや支援、安全確保に努めた結果、前年度と比較しましても、虐待新規受付件数など、大幅な増加は見受けられないことから、今後につきましても、要保護児童対策地域協議会が中核となり、関係機関と協議・連携しながら、適切な支援につなげてまいります。

DV被害者の支援については、本市では、DVなど女性が抱える悩みの解決をサポートする「女性の悩み相談」を実施しておりますが、新型コロナウイルスの感染拡大に起因する生活不安やストレスからDVの増加や深刻化が懸念される中、職員の2班体制時におきましても、感染防止対策を講じながら、女性相談を継続して実施し、通常時と同様の相談環境を維持してまいりました。

また、国では、DV相談の強化として24時間対応の「DV相談+」を新たに開始され、市広報や市ウェブサイトで国及び本市のDVに関する相談窓口の周知に努めたところでございます。

今後は、今回のこのようなノウハウを活かしながら、緊急時におきましても、相談・支援体制の確保に努めてまいります。

続きまして、③についてお答えします。他の場所で臨時の相談窓口を設置することにつきましては、相談者・その家族の個人情報や安全確保、関係機関と連携しながら迅速かつ適切な支援を行う観点から課題があるものと考えております。

児童虐待・DV相談についてはそれぞれ、児童相談所虐待対応ダイヤル189「いちはやく」、24時間電話で相談できる「DV相談+(プラス)」において、専門職員が常時対応しています。

本市としましては、様々な相談窓口があることを市広報や市ウェブサイトを通じて周知に努め、関係機関と連携しながら適切な支援に努めてまいります。

次に、④についてお答えします。DVや児童虐待に関する相談・支援につきましては、感染防止対策を講じながら、プライバシーにも十分配慮した対応が必要です。今般のコロナ禍において、民間支援団体から施設の閉鎖制限に伴い活動に困難を生じていると相談がございましたら、個別に対応を検討してまいります。

最後に、⑤⑥についてお答えします。新型コロナウイルスの影響で、子どもたちや保護者は環境の変化になれない中、日々の生活を過ごしています。このような状況の長期化や、感染防止に対する意識や危機管理の違いにより、先生たちに相談しにくいと悩まれている方もおられます。本市では、こども未来室の社会福祉士・保健師・心理士などの専門職による家庭児童相談員や、教育指導室所管の教員OBによる教育相談員が相談者の気持ちに寄り添う電話応対等に努めていますが、スマートフォンやパソコンを利用したオンライン相談は、窓口での相談と変わらない状況で利用することができ、感染予防対策の手法の一つと認識していることから、先進市の導入事例を参考に研究してまいります。

(3)①②について一括してお答え申し上げます。新型コロナウイルス感染拡大状況下において、今後想定されるサービス提供や感染予防物資の備蓄状況、抱えている懸案事項などを把握するため、本年7月に市内の介護保険事業所219事業所を対象にアンケート調査を実施し、164事業所からの回答がありました。また、障がい福祉事業所には訪問する機会を通じて状況をうかがいました。

その中で、各施設における衛生資材の調達・備蓄状況について、品薄であることや、経済的な負担が大きい等の状況があることを認識しておりますことから、

本市におきましても、マスク、防護服、手袋などの衛生資材の購入・備蓄を進めているところでございます。

また、一定量の確保が行えた物資については、これまで、4月、5月、8月の3度に渡り、市内の各施設に提供を行っており、今後も配布を継続していく予定です。

次に、今年4月のマスク不足の状況下において、重症化リスクの高い高齢者の感染拡大予防やマスク不足による不安軽減のため、75歳以上の方に使い捨てマスクの配布を行いました。マスクの状況につきまして、現時点では、布製マスクの普及や使い捨てマスクの流通が安定し、購入可能な状況にあることから、市からマスクの配布が必要な状況にはないと考えておりますが、再び、品薄などによる入手困難な事態に備え、引き続き市場の状況を注視し、一定量の備蓄を行うとともに、高齢者や障がい者の置かれている状況の把握を行い、不安軽減に努めてまいります。

続きまして、(4)の①②について一括してお答えします。議員ご質問の、令和2年6月1日に発出された、「新型コロナウイル感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて(第12報)」については、本市におきましても、利用者負担増を招くことや、事前に利用者の同意が必要なことから、同意しなかった利用者との間で不公平が生じるなどの状況があることを認識しています。今回の措置は、期間が長期となればさらなる利用者負担増につながる事から、事業者への支援も含め、長野県飯田市の補助金の例も参考にしながら、今回の措置の状況を踏まえ、機会をとらえて、国へ要望をしてまいります。

(5)につきまして、お答え申し上げます。はじめに、①、②、③は関連いたしますので一括してお答え申しあげます。

通所を伴う障がい福祉サービス等事業所への新型コロナウイルス感染症に関する対応につきましては、地方自治体からの要請に基づく休業、又は事業所の自主的判断による休業により通所不可能となる事態のほか、利用者自身が感染を恐れて通所できない事態など、様々な状況により利用者が通所によるサービス提供を受けることができない場面が想定されているところであり、議員ご質問のとおり、そのような事態においても利用者への支援の継続や孤立を避けるなどの目的から、電話等による健康管理や相談支援を行うことでも通常報酬の算定を可能とする旨の通知が厚生労働省より発出されています。

これまでも、本市でもその取り扱いを認めている旨、市ウェブサイトやファクス等により、適宜、各事業所にお示ししてまいりましたが、今後におきましても各事業所が適切に、また迅速に利用者の支援に当たることができるよう周知に努めてまいります。

また、障がい福祉サービスにおきましては、報酬単価が低く大変厳しい経営状況であるとお聞きしているところです。本市といたしましては、市長会を通じまして、国に対して障がい福祉サービスにおける報酬単価の見直しと処遇の改善を要望しております。

次に、④でございますが、聴覚障がい者、難聴者の方に対します、新型コロナウイルス感染症にかかる情報提供につきましては、手話通訳をするにあたり口元がマスクで隠れ手話が読み取りにくいとの懸念があった事から、いち早く市独自でフェイスシールドを作成し手話通訳者に配布を行いました。またその後寄贈いただいたフェイスシールドなども活用させていただき手話通訳者へ配布し、ろう者、手話通訳者双方の感染対策を図りつつ手話通訳を行い情報保証を図ったところです。

また、新型コロナウイルス感染症に関する市長によるメッセージ動画につきましても、動画を掲載している市ウェブサイト上に、文字においても内容の掲載をしていることや、動画内で手話通訳者が手話通訳を行うことなどにより、聴覚障がい者、難聴者の方に対します広報等の情報提供に努めたところでございますが、今後におきましても関係団体等とのコミュニケーションを密にし、わかりやすい情報提供に取り組んでまいります。

次に、⑤でございますが、視覚障がい者の方々への広報につきましては日頃から点字広報、声の広報などで情報をお知らせしています。また、本市ウェブサイトにつきましては、音声読み上げソフトに対応していることから、市ウェブサイトの内容を音声によりお聞きいただく事も可能となっているところです。

新型コロナウイルス感染症に関する件につきましては、特別定額給付金の案内におきまして、視覚障がい者のみの家庭の方には個別に連絡するなどして、情報をお伝えしたところです。一方、緊急事態宣言発出中においての点字広報の作成につきましては、作成をして頂いているボランティアの方々の活動に支障があったなどの課題もございましたことから、他市等の事例を参考として視覚障がい者の方々への広報のあり方について調査してまいります。

最後に、⑥でございますが、障がい者(児)給付金につきましては、障がい者(児)を激励し福祉の増進に寄与することを目的に昭和43年度から実施してまいりました。

その後、国における法律等の整備等により障がい福祉サービスや障がい児通所サービス等の障がい福祉施策の推進が図られるとともに、本市におきましても様々な障がい福祉施策の充実に努めてきたところです。

このような中、障がい者(児)給付金につきましては令和3年度より廃止するという判断をしたところですが、対象者の方々にどの様にお知らせするのが良いのか慎重に検討した結果、来年度になって急に廃止をお伝えすると対象者の方々に混乱を招きかねないことなどから、本年度の障がい者(児)給付金が給付されますタイミングでお知らせすることが一番丁寧ではないかとの考えに至ったところでございます。

今後も様々な施策を通じまして、障がい児者の方々に寄り添う施策に努めてまいります。

 

【要望】

要望いたします。この障害者給付金は、市内在住の全ての障がい者の方に行き届く制度という点でも、市として、障がい者の方々に対するあたたかい姿勢を示す大切な制度だと私たちは考えていました。様々な障がい福祉施策の充実といっても、相談体制の充実は給付金とは別に当然市として充実するべきことです。吉村市長になってからの、このような弱者切り捨てとも思える制度廃止をみるにつけ、今後、様々な福祉が切り捨てられるのではないかとの懸念から再質問させていただきました。

給付金廃止について改めて見直していただくとともに、当事者の想いに寄り添う施策展開を求めておきます。

新型コロナ関連の支援策の多くは、コロナで収入が減った方に対するものです。しかし、もともと収入が少ない障がい者の方や高齢者の方は受けられる支援がない、といったご相談を受けることがよくあります。

休業などにより収入減少した方ではなくても、誰もが影響を受け、厳しい局面にたたされている今、少なくとも、社会的に弱い立場におかれている声をあげにくい方々に対し、新たな負担増に繋がる制度や支援の打ち切りといったことはやめるべきと考えます。

相談体制については、市として、総合相談窓口を開設していただき、様々な相談にあたられてきたことや、家庭内別居も含めたDV・児童虐待被害者等の方への特別定額給付金の支給に関する個別の対応などの配慮について評価しています。今後も継続していくとのことですので、更なる相談体制の充実をよろしくお願いいたします。

介護事業所の利用者負担増については、事業者への減収補填分を利用者に責任転嫁する、という国の方針を改めさせ、きちんと事業所に財政補償をすることを国に強く要望していただくとともに、独自支援をおこなっている飯田市の例も参考に、市としての対応を求めておきます。

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