「精神障害者として生きる〜当事者グループでの実戦から〜」を聞いて

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こんばんは!田平まゆみです☆

今日は、FBを通じて知り合った細田一憲さんからお誘いいただいた「精神障害者として生きる〜当事者グループでの実戦から〜」のお話を聞きに京都に伺いました。

野球部のエース、中学模試では県で10番以内、そんな細田さんでしたが、就職してから、やりがいはあるが過酷な職場のため不眠になり、それを入り口に幻聴・幻視などの症状を発し、緊急入院。なんの説明もないままの注射・点滴。入院後1週間たってから走って逃げたが救急車で屈強な男達に取り押さえられ有無を言わさず睡眠注射を打たれ連れ戻され、2日間昏睡。。

発症したのは35歳でした。そこから10回にわたる入院。仕事は13回リタイヤ・ドロップアウトをしては再起。

「13転び14起きや。そして今、十数年間リタイヤせず、入院もしていない」と話します。

「これまで8人の精神科医と出会ってきたが、医師に一番必要なのは患者の声によく耳を傾けること。治療方針や想いについても、当事者との合意を得ながら進んでいくこと。そうすることで  ラポール=医者と患者の信頼関係が築ける」

医療の現場で通常当然あるべき当事者との合意のプロセスが、精神疾患に関してはことごとく無視され、前頭葉切除(考えられなくなる)や強制断種・不妊手術など、無権利状態がまかり通ってきた歴史があります。

原爆症、水俣病、ハンセン病しかり。相模原殺傷事件のような差別意識を生む根底には、根深い優生思想があるのではないか、というのが、参加していた皆さんで議論のテーマになりました。

【精神病院は必要か?】

これも議論のテーマになりました。日本では、392万人いると言われる精神障害者の中で、391万人が入院しているという現状。

ヨーロッパでは20日ぐらいで退院が普通だが、日本では300日〜30年入院もざら。異常な精神病院大国日本。

細田さんは、「精神病院は必要ないと思っている。結婚、就職、友達、すべてナイナイづくしで、良くなった人は見たことがない。精神疾患の患者が急性期に入った時に、しばらく療養できる短期療養施設で適切な投薬を受けられる施設が必要」と。

実際に精神病院をなくしたイタリアでは、地域に精神疾患の患者が短期療養できる施設を置き、精神病院がなくなっても問題にはなっていません。人権を守れて、安くて快適で安全なイタリアの「地域精神保健サービス方式」に、世界中から視察が絶えないそうです。

※参考になるサイトを貼っておきます。→  https://www.liberuta.com/report-italy/

参加されていた他の当事者の方からも貴重な経験談をお聞きしました。精神病院にかかって22年。18歳で発症して入退院。警察に手錠をはめられ、保護室に2ヶ月間入れられた。保護室は、鉄の扉で室内にトイレがあり、高い所に窓がある独房以上に汚くてヒドイ場所」。これに他の保護室経験者も共感しておられました。

2ヶ月は長い。1ヶ月でたいていおさまっているが、精神病院経営のために長期入院させられていることが多い。任意入院であっても、出るときは出してもらえない。

これが社会復帰を妨げる原因にもなっている、と。

他にも、「症状を言えば言うほど薬ばかり増えるからもう最近は言わない」、「診察は3分、5分で薬を出すだけ」など、医師の資質について触れる意見も出ました。

しかし、今日お聞きした中で、すごく印象的だったのは、細田さんを癒してきた治療法についてです。

  • ①文学を書くこと:小説や詩にはウソもホントも自由に描ける。創作活動、表現
  • ②ジャズを聴くこと、アートに触れること:聴く・観る・作品を通じた対話
  • ③アクティブストとして政治に関わること:社会を変えることの一翼を担っているという実感を持てる
  • ④ぴあカウンセリング:その人の問題を一緒に考える(推定300人程 ピアカウンセラーとして接してきた)

「1日2000字ぐらい書くし、ジャズは毎朝2時間ほど、コーヒーを飲みながら聴いている」「ジャズは抵抗のための応援歌だと感じる。芸術家として虐げられた人への解放の音楽。ジャズを通して、サッチモともコルトレーンとも、アルバートアイラーとも対話した。ジャズが僕を救ってくれた」

「これからはCareの時代。Careすると、Careされるから

「優生思想が生まれるのは競争社会の問題点。人よりも幸せになろう、ではなく、等分の幸せを分け合いながら支え合うことができないか」

印象的だった細田さんの言葉の数々です。特に最後2つは、日本共産党の目指す社会そのものではないか・・! なんだか胸が熱くなりました。

議員活動や政策提案の中に生かしていけるように頑張ります。本当に、ありがとうございました!!

 

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