2019年12月議会 代表質問②安全な駅と踏切の対策をもとめて

2.つぎに、安全な駅と踏切の対策をもとめて伺います。

現在、富田林市内には道路と鉄道が交差する踏切は、南海電車で4箇所、近鉄電車で26箇所あります。

私たち日本共産党市会議員団は、電車や駅の安全性や利便性の向上をもとめて近鉄・南海電車と毎年交渉をおこなっています。交渉を重ねる中で、駅のトイレの改修やトイレットペーパーの設置がすすみ、エレベーターの設置やホームの転落防止柵の設置も始まりました。市民が安心して鉄道を利用し、住みよい交通環境を整備するためにも、市民の声を鉄道会社に届けることは市にとっても重要な役割だと考えます。

富田林市は、電車の安全走行や利便性の向上について、鉄道事業者とどのような協議の場を持たれているのかお聞かせください。

市民の皆さんから私たちに寄せられる要望で、踏切の改善を求めるものがたくさんあります。「踏切が狭くて、自動車が通ると歩行者が踏切を渡れない」「高齢者用手押し車の車輪が線路の隙間にはまり動けなくなった」「冬場に踏切に霜が降りていて、杖が滑って転倒し骨折した」「踏切で車の渋滞が起こり危険です」などの声です。

もともと1952年に制定された道路法では、第31条で「安全確保のため道路と鉄道の交差は立体交差としなければならない」とされているのに、制定後も平面交差の踏切がつくられてきました。施行令では、立体交差にすることで、増加する工事の費用が利益を著しく超える場合は、例外的に平面交差を可能とするという条項がそえられています。しかし、1987年に制定された鉄道に関する省令では道路法のような例外はなく、踏切そのものに人命のリスクがあるとするのが鉄道に対する法令の考え方です。

自治体としてもこの精神にのっとり、踏切の安全確保と立体交差をすすめることが重要だと考えます。内閣府では、2016年に第10次交通安全基本計画を策定し、「踏切道における交通安全対策の今後の方向」で踏切事故防止対策をすすめようとしています。横浜市などでは、歩行者対策、自動車対策、立体交差などの「踏切安全対策実施計画」を策定し、市内すべての踏切の安全性の検証と対策を具体化しています。

富田林市として踏切の安全対策を打ち出す、総合的な計画の策定についての現状と見解をお聞かせください。

国土交通省や鉄道会社、有識者などで構成されている、高齢者等による踏切事故防止対策検討会の報告によると、踏切事故で毎年200人余りが命を落とし、死亡者に占める歩行者の割合は約7割で、そのうち65歳以上の高齢者の割合は約4割を占めており、歩行者の安全対策促進は、踏切での死亡事故対策につながると考えます。

消防署近くにある近鉄富田林西口第1号踏切は、直前の道路幅は6mあるのに踏切内の幅が4.5mしかないため、自動車は1台ずつしか通れず、車が通るときには歩行者は危なくて渡ることができません。近鉄電車に歩行者用の通行帯を確保するため踏切の拡幅をもとめても、「スペースがないので市で対応してほしい」と言われます。夕方の車のラッシュ時などは、危険で歩行者が踏切を渡れない状態です。

市として踏切の歩行者の通行を確保するための対策はどのようにされるのかお聞かせください。

コノミヤから富田林駅にぬける富田林1号踏切では、高齢者用手押し車を押す高齢者の方から「レールの隙間にカートの車輪が挟まって怖いので何とかしてほしい」との要望を聞きました。手押し車の車輪は様々な大きさがあるため、車輪のサイズによってははまり込む危険性があります。今ではレールの隙間を埋める緩衝材が開発され、一部の踏切で適用されている例もあるようです。

手押し車が安全に踏切を渡れる対策を検討していただきたいと思いますが見解をお聞かせください。

ジョーシン電機から旧国道170号に抜ける交差点までに、喜志第7号踏切があります。ここはラッシュ時に踏切の前後で車の渋滞がおこり、信号がない交差点と踏切との間で進入しようとする車、すり抜けようとするバイクなどが交錯し、死亡事故などが多発する、市内で最も危険な交差点の一つです。踏切の拡幅や信号機の設置など、この場所の安全対策についてお聞かせください。

府道美原太子線粟ケ池バイパスが開通し、道路の渋滞が緩和されてきました。並行して進められている桜井1号線鉄道高架化工事によって踏切がなくなることにより、交通渋滞の解消や安全確保が期待されます。

高架工事の進捗状況と、踏切がなくなる箇所についてお聞かせください。

駅舎の問題では、南海滝谷駅は終日無人駅となっており、富田林西口駅は朝夕駅員さんがいなくなる無人駅となっており、高齢者・障がい者・外国人など手助けが必要な乗客の方々が、駅員さんがいないことで困っています。

とくに富田林西口駅は、市役所・警察・府民センターなど市の中心施設が集中する駅で、富田林高校・河南高校の生徒たちもたくさん利用している駅です。

以前、駅員さんのいない夜の時間帯に、ホームから線路に転落して動けなくなった人が、携帯電話で家族に電話をして救出され、病院に運ばれた事故がありましたが、近鉄電車との交渉の際に、この事故のことを確認すると記録にも残っておらず、転落事故は他の駅で監視・検知できないとの見解でした。

駅員の不在は、重大事故や治安の悪化にもつながり、無人駅の解消は市の課題でもあると考えます。

市としても、鉄道事業者に対し市民の安全の確保のために、駅の無人化の是正を求めるべきだと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 【2問目】

 ご答弁ありがとうございます。歩行者が安心して通行できる踏切と、駅で駅員さんが乗客を見守ってくれることは、安全で住みよい街づくりの大前提です。今後も、鉄道事業者への積極的な働きかけで、無人駅をなくし市民の命を守る交通政策を進めていただきますようお願いしておきます。

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